たいなか施療室にて

仕事や日々の生活の中で思うこと、感じることを綴っていきます。

椎間板ヘルニア

今回は、椎間板ヘルニアについて書きたいと思います。

 

原因としましては、

・神経根の炎症による下肢への関連痛

・脊椎や椎間板の変性

・急性傷害や反復運動

などがあります。

 

症状としましては、

・下肢への関連痛を伴なう腰痛

・腰部屈曲位、咳、くしゃみで症状増悪

・排尿障害(違和感、痛み、頻尿、出が悪い)に注意

などがあります。

 

検査としましては、

棘突起(SP)の触診(L5ーS1間だとL5SPに圧痛、L4ーL5間だとL4SPに圧痛)

・SLR

・スランプテスト

・知覚、運動検査(・痺れ、感覚異常:腰椎、仙骨の神経根 ・運動障害、下肢の筋力低下などがある場合は頚椎ヘルニアの可能性も考えておく)

などがあります。

 

私が出来る治療としましては、

・モビリゼーション:股関節、膝関節、足関節、椎間関節、仙腸関節

・リリーステクニック:股関節周囲筋および多裂筋、腰方形筋

などがあります。

 

現在では、椎間板変性に関与している遺伝子が発見され、椎間板変性は遺伝子の影響と言われております(特に頚椎ヘルニアが多いらしいです)

 

そして健常者(症状がない人)にも椎間板異常が、かなりの割合であります。

健常者(症状がない人)の椎間板ヘルニアは76%・椎間板変性は85%

ようは、まったく症状がない人でも、これだけの椎間板異常があるということです。

ほとんどの人が何らかの椎間板異常があると言っても過言ではありません。

むしろ椎間板異常が全くない人の方が珍しいのです。

 

さらには膨隆、脱出、遊離したヘルニアは免疫システムが食べてくれるとも言われております。

実際、椎間板ヘルニアと診断された方が何もせず、ただ出来るだけ普段通りの生活に近づけるような行動をとっておられたら、約2ヶ月後にはヘルニアが完全に消えていたという症例もあります。

 

そう考えますと、一概に腰痛、下肢の症状=椎間板ヘルニアと決めつけるのは、全くもってナンセンスだということになります。

たまたま画像を撮ったら写っていただけのこと。

ヘルニアが見つかったというのは、シワやシミ、白髪が見つかったと言って大騒ぎしているのと同じレベルだということです。

逆に椎間板ヘルニア以外に何か他の原因があると考える方が自然です。

 

なので、仮に医療機関でヘルニアだと言われても慌てないでください。

そして、腰が痛くなるたびに「これはヘルニアから来てる」なんて被害妄想をするのはやめましょう。

「ヘルニアがある限り、この腰痛は無くならない」なんて勝手に悲観する必要も全くありません。

 

非特異的腰痛の90%は6週間以内に自然治癒すると言われております。

そして神経根症状も50%は6週間以内に自然治癒すると言われております。

 

ですので腰が痛い!となっても慌てないでください。

大丈夫です、レッドフラッグ(悪性腫瘍・脊椎感染症・骨折・硬直性脊椎炎・馬尾症候群など:全腰痛の1~5%)でなければ大抵、保存療法や自然治癒で改善していきます。

そして腰痛のために何かをするとか、逆に何かをしないとかも全く必要ないです。

とりあえず普段通りの生活をしてください。

それが改善の一番の近道です。

 

たいなか施療室