手部(手関節)の症状(疾患)について
今回は、手部(手関節)の症状(疾患)について書きたいと思います。
手部(手関節)の構造は非常に複雑です。
故に慎重で繊細な触診と問診が診断の要になります。
もちろん上肢全体の検査も必要であります。
手関節は反復動作やスポーツ障害や関節の圧迫による傷害が多いです。
常に何かしら動かしている部位なので、何かと症状が出やすいのは間違いないです。
手部(手関節)の関節の種類としましては、
・遠位橈尺関節
・橈骨手根関節
・手根中央関節
・中手指節関節
・指節間関節(近位・遠位)
などがあります。
骨の種類としましては、
・手根骨
近位:舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨
遠位:大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨
・中手骨
・指節骨
などがあります。
手部(手関節)の症状(疾患)に関わる筋としましては、
・尺側手根伸筋
・方形回内筋
・長橈側手根伸筋
・短橈側手根伸筋
・長母指外転筋
・短母指伸筋
などがありますが、これが全てではありません。
他にもありますし、当然のことながら靭帯や関節包なども多く存在していますが、別に解剖学の紹介をしているわけではありませんので、構造的なものはこれぐらいにしておきます。
もちろん、これらの関節や軟部組織の機能的問題(サブラクセーション、癒着、拘縮)には対応していますが、その状態・程度によって、どこまで改善するかは、やってみなければ分からないのが本当のところです。
次に手部(手関節)の症状(疾患)などを、いくつか簡単にザッと挙げさせていただきます。
もちろん、ここに挙げているものが全てではありませんので悪しからず。
・TFCC傷害
TFCCとは、
三角繊維軟骨複合体と呼ばれる
尺骨茎状突起周辺に位置している
関節円板と靭帯、腱鞘で構成される
手関節の支持性と可動性の一部を担う
手首への衝撃を和らげるクッションの役割
症状:前腕回内/回外、手首の尺屈によって痛み
遠位橈尺関節の不安定性(尺骨の後方変位)
尺骨頭ストレステスト陽性
捻髪音
・手関節の腱炎/腱鞘炎
原因:反復運動
傷害
関節の運動障害
症状:深部痛
腫脹
圧痛
他動的伸展による痛み
好発部位:第1コンパートメント(長母指外転筋腱、短母指伸筋腱)
・ド・ケルバン症候群(腱鞘炎)
イントロダクション:狭窄性腱鞘炎
中年女性に多い
尺屈位における母指のオーバーユース
メカニズム:長母指外転筋と短母指伸筋が、橈骨茎状突起と伸筋支帯で形成する管の下
で炎症が起こる
腕橈骨筋からの影響も受ける
症状:第1コンパートメント(長母指外転筋腱、短母指伸筋腱)周辺の局所的腫脹、捻
髪音
橈骨茎状突起の強い圧痛
原因:直接的な手首の傷害
手関節屈曲/伸展の反復
正中神経の圧迫
症状:夜間痛(初期)
前腕、肘、肩の痛み
中指のみ感覚麻痺
慢性的症状
・ギヨン管症候群
⁂ ギヨン管は豆状骨と有鈎骨鈎の外側にあり、上は掌側手根靭帯と尺側手根屈筋の延長にある手掌腱膜に覆われる。
下部は豆状骨有鈎骨靭帯。
原因:傷害
小指球への持続的圧迫
有鈎骨骨折
尺骨動脈の血栓
症状:手掌、前腕の痛み
クローハンド
・インピンジメント症候群
概要:短橈側手根伸筋腱と舟状骨後縁の間で手関節後部関節包の挟み込みが起こってい
る。
それにより局所的な滑液包炎、関節包炎が生じる。
この状態が慢性化することで関節包の変性が進行してインピンジメント症候群を
引き起こす。
症状:症状は徐々に悪化していく傾向がある
他動的手関節伸展で痛み悪化(腕立て伏せ、手をついて身体を起こす)
手関節後面のガングリオンが併発していることもある
舟状骨月状骨間関節の不安定性
舟状骨の回旋変位
ワトソンテスト陽性
当施療室では、上記に挙げました症状(疾患)におきましても一応、その症状(疾患)に対して行う手技はあります。
ありますが、それで改善するかどうかは、やってみなければ分からないというのが本当のところです。
その状態の程度にもよりますので。
ただ、まったく効果がないということは、あまりないような気がします。
どこまで良くなるかが分からないだけです。
少なくとも変わらないということはあっても、悪くなるということはありません。
もし他の療法や医療機関で治療を受けているけどイマイチ良くならないというようなことがあれば一度、騙されたつもりで試しに来てみてください。
あまり期待しない程度で(笑)
改善するかもしれません。