たいなか施療室にて

仕事や日々の生活の中で思うこと、感じることを綴っていきます。

足部(足関節)の症状(疾患)について

今回は、足部(足関節)の症状(疾患)について書きたいと思います。

 

足部(足関節)は、意外と我々の業界でもしっかり診れて施術も出来るという術者は少ないんじゃないでしょうか。

結構、見逃されているというか、あまり重要視して診られていないような気がします。

しかし全身をマクロ的に診ていこうと思えば外すことは出来ない部位であります。

足部(足関節)の、ちょっとした運動機能障害やサブラクセーションで一気に全体のバランスが崩れ(特に立位時)そこから何らかの症状を引き起こすこともあります。

 

足部(足関節)は距骨、踵骨、舟状骨、立方骨、内側(第1)楔状骨、中間(第2)楔状骨、外側(第3)楔状骨、中足骨、趾節骨(基節骨、中節骨、末節骨)からなります。

 

そして足部(足関節)にある関節は、距腿関節、距骨下関節、距腫舟関節、腫立方関節、楔舟関節、足根中足関節(リスフラン関節)中足間関節、趾節間関節などがあります。

⁂横足根関節(ショパール関節)は距腫舟関節と腫立方関節からなります。

 

これだけ骨、関節があるということは当然、それらを安定させるための靭帯や関節包などの軟部組織も多数存在します。

靭帯の代表的なものを大まかにザッと挙げさせていただきますと、

踵腓靭帯、骨間距踵靭帯、三角靭帯(前脛距部、脛舟部、脛踵部、後脛距部)、前距腓靭帯、後距腓靭帯などがあります。

 

もちろん、これにプラス神経や固有関節受容器なども存在します。(神経系については、また別に書きます)

 

このように足部(足関節)は、けっこう複雑でデリケートな部位であるということは容易に想像できると思います。

 

当施療室では、そういった様々なことも考慮に入れて慎重かつ的確な施療を行ないますので、ご安心ください。

 

それでは次に足部(足関節)の疾患について簡単に書いていきます。

とりあえず当施療室でも何かしら出来ることがある、して差し上げることが出来るものを、いくつか挙げさせていただきます。(ここに書いてあるものが全てではありません)

 

・足根管症候群:足根管が狭窄して足底(足の裏)に知覚異常や痛みが出る

屈筋支帯で圧迫を受けていることが多い

屈筋支帯へのリリーステクニックが有効、効果的

ちなみに足根管の中には脛骨神経(内側足底神経、外側足底神経、内側踵骨枝)、後脛骨動静脈、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋が通っています。

 

・足底筋(腱)膜炎

原因:足からの負荷は足底筋(腱)膜から下腿へと伝達されるため足底筋(腱)膜炎の患者にシンスプリントが併発(後脛骨筋)

足関節の回内または回外変位

アキレス腱の緊張(腓腹筋、ヒラメ筋の緊張)

母趾の可動性減少(背屈)

 

症状:起床時に強い痛み

踵の鋭い痛み(足底内側アーチへの関連痛、踵骨隆起内側突起の圧痛)

足関節内反位での歩行

 

検査:踵骨隆起内側突起の圧痛

母趾の他動的背屈による症状の悪化(足関節の背屈を加えてもよい)

 

治療:アキレス腱のストレッチ

リリーステクニック(足底筋(腱)膜、アキレス腱)

モビリゼーション

 

・アキレス腱炎

原因:踵骨停止部から近位2センチの部分(アキレス腱と長母趾屈筋が交差する所が好発部位)

ジャンプ、ランニング

下腿三頭筋の緊張

 

症状:アキレス腱の痛み

 

検査:伸長に対する抵抗運動で症状の悪化

トムソンテストによる鑑別

 

治療:RICE処置

リリーステクニック(下腿三頭筋、長母趾屈筋)

 

外反母趾

原因:遺伝的要素

ハイヒール

母趾内転筋、長母趾屈筋、短母趾屈筋、長母趾伸筋の緊張

前足内反

 

症状:第1MP関節の変形と痛み(第1MP関節内側の痛み)

 

検査:視覚検査

 

治療:モビリゼーション

リリーステクニック(関節包、母趾内転筋、長母趾屈筋、短母趾屈筋、長母趾伸筋)

 

・立方骨症候群

原因:足関節の過剰回内障害や内反捻挫、オーバーユース

特に足関節内反捻挫の最大40%のケースにおいて立方骨症候群が併発

傷害のメカニズムは、踵骨内反位における立方骨の急激な外反

 

カニズム:足関節の内反捻挫において長腓骨筋腱が伸長される

前足には後外方への牽引力がかかり、立方骨には内下方(回内方向)への牽引力がかかる

そのため立方骨は回内位にサブラクセーションが生じる

 

症状:腫立方関節から第5立方中足関節にかけての足外側の痛み

関連痛が足趾にまで広がっている場合もある

立方骨の底側に軽度の腫れが触診されることもある

長腓骨筋腱、長腓骨筋腱溝、短趾伸筋の起始、立方骨の後外側や底側に圧痛

 

治療:アジャストメント、モビリゼーション(立方骨)

リリーステクニック(長腓骨筋および腱)

 

・足関節インピンジメント症候群

定義としましては、

「脛距関節における骨や軟部組織の肥大によって生じる痛みを伴う関節可動域制限のこと」でありまして、

分類をしますと、

前方インピンジメント、後方インピンジメント、前内方インピンジメント、後内方インピンジメント、後方インピンジメントなどがあります。

これは改善するかどうかは、その状態の程度によります。

アジャストメントやモビリゼーション、リリーステクニックなどを駆使して、やってみなければ分からないというのが正直なところです。

 

とまあ、こんな感じでザッと挙げさせていただきましたが、ここに書いてあるものが全てではありませんのでね。

 

もし何か足部(足関節)に症状があり、病院等の医療機関などに通ってはいるがイマイチ改善しないというようなことがございましたら、ぜひ当施療室をお試し頂ければと思います。

 

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